平成19年のJR東海認知症事故の最高裁判決が出ました。
事故は、認知症のある男性が、妻が介護疲れから、うとうとしている間に
外出してしまい、線路内に侵入してはねられた、というもの。
JR東海は、妻と長男ら遺族に賠償を求めて裁判になったのです。
結果は、皆さんご存知の通り、遺族の賠償責任は問われないことに。
介護をされている方には、「ほっ」とした方も多かったのではないでしょうか。
超高齢社会の真っただ中、認知症は、予備軍も含めると800万人とも言われています。
およそ3000万人の高齢者の実に4人に1人です。
支えているご家族は、さらにその数倍か。
小さなお子さんや、障害のある方などを支える家族も含めれば、
多くの国民が、自分のことのように注目している裁判でした。
JR東海にしてみれば、実際に損害が発生しているのですから、
誰かが責任をとらなければ、というのは、分からないではありません。
でも、見方を変えると、男性も、奥さんも、被害者の一人だったのかも。
どうすれば、急激に増加していく認知症の方が、
いや、高齢者が、障害のある方が、小さな子どもたちが、
安全に安心して暮らせる社会になるのでしょうか?
誰かに責任を押し付けて良しとするのではなく、
みんなが少しずつ力と知恵を出し合って、
社会全体で支え合うことが大切だと、
改めて考えさせられる出来事でした。
- Posted by 2016年03月12日 (土) |
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